導入企業情報
社名 :東宝株式会社
創業 :1932年8月
取締役社長 :松岡 宏泰
資本金 :103.5億円
業種 :映画事業、演劇事業、不動産経営事業
本社所在地 :東京都千代田区有楽町1-2-2
PROFILE:齋 嘉孝
2002年の入社以来、映画館運営から新卒採用、経営企画部での管理会計まで幅広い業務を経験。
現在は事業統括部アーカイブセンター長として、映画のフィルムやデジタル原版の管理を担当。また、Contract Oneを活用した契約書管理業務の効率化プロジェクトを推進している。
特撮用スーツなどノンフィルムアーカイブの保全も含めた、映画・演劇文化の次世代への継承が今後のテーマ。
環境変化と事業の拡大による管理業務の増加に対応するために
当社は数年前から世界市場に目を向け事業を展開しており、その結果が「ゴジラ-1.0」の世界的な大ヒットに繋がりました。さらに、約10 年前からアニメビジネスに本格的に着手。動画配信サービスの普及による後押しを受け、今やアニメファンは世界中で増加しています。 こうした背景から、世界市場に目を向ける必要が出てきました。
となると当然、業務もボリュームアップしスピード感が求められるようになりました。それに伴い、各部門の管理室で類似した業務に従事していることが課題として浮上しました。そこで、縦割りを排除し情報を見える化することで、部門の垣根を越えて相乗効果を発揮できる環境構築を目指し、各営業部門の管理室を統合した事業統括部が発足しました。
その中で、映画やアニメに関わるエンタテインメントユニットと、コーポレート本部を横断して契約書を閲覧可能とする体制を構築するため、Contract Oneの導入を決めました。
契約書の体系的な管理、期限管理の徹底、検索効率の向上を実現したい
Contract Oneの導入当初、約1万6000件の契約書が管理の対象となっていました。現在も月平均170件の契約を新規で締結しています。これらの契約書管理において、以下3つの課題がありました。
1つ目は「契約書の体系的な管理」です。電子契約や紙の契約書のPDF化は進めていましたが、紙のままキャビネットや外部倉庫に保管された手書きや複写式の契約書もあり、一元管理に苦労していました。
2つ目は「期限管理の難しさ」です。契約期限・自動更新・解約期限通知の記載は契約書により異なり、目視での確認は骨が折れる作業でした。また、リストを作成しても、見落としやリスト更新忘れのリスクは避けられませんでした。この点はマンパワーでは解消のしようがないポイントであり、管理担当者であればお悩みの方が多いのではないかと思います。
3つ目は「契約書の検索に時間がかかる」点です。例えば、「企画・契約段階」と「公開時」で作品タイトルが変更されるケースもありますが、古い作品の場合、変更経緯を知る社員がいないため、契約書の特定に苦労していました。
まとめると、工数をかけずに、契約書を体系的に、期限も含めて適切に管理し、検索スピードを上げたい。それが当時の課題でした。
導入後の大きな変化
まず、1つ目の課題であった契約書の体系的な管理においては、電子契約書を含む契約書を一元管理できるようになりました。Contract Oneでは、PDF化した契約書はアップロードするだけでよく、当社が使用している電子契約サービスともスムーズな連携が可能だったので、安心してお任せできました。
また、2つ目の課題である期限管理に関しては、契約書の主要項目の自動抽出による情報の正確なデータ化と、期限管理アラートの機能により、円滑な管理が可能となりました。毎月1日の契約満了・解約通知期限日のアラートメール送信により定期的にリマインドされます。さらに、台帳検索やCSV一括出力によるリスト化も可能となりました。
この結果、「どの契約書が期限切れになるのか?」「自動更新の有無は?」「契約更新は必要か?」などの適切な把握も、Contract One導入により実現しました。
さらに、3つ目の課題である検索性も大きく改善されました。直感的に操作可能な検索画面により、必要な契約書をすぐに見つけることができます。また、拡張項目や社内共有情報欄を活用することで、契約書に記載されていない情報も一緒に管理できるようになりました。契約書プレビュー内の文字列検索とそのテキストをコピーする機能も備わっており、効率的な契約書管理を実現できています。
部門の垣根を越えた共有にこだわった理由
また、弊社ではシステム導入にあたり、共有範囲と閲覧権限について思い切った設定をしました。
どの契約書を社内の誰に見せるか、という点は、契約書に関わる皆様もお悩みになるかと思います。「具体的に何がダメという訳ではないが、なんとなく他の部門に見せたくない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
Contract Oneはインポート時にグループを指定し、閲覧対象を限定することが可能です。しかし弊社では、部門の垣根を越えた活用を目指し、ごく一部を除いて、部門を区切らず公開することにしました。
全社公開にこだわった理由としては、部門ごとに閲覧が制限されたままでは、せっかくシステム化した恩恵を得られないと考えたからです。
SansanはContract Oneの理想を「契約書の民主化」と呼んでいるそうですが、弊社も少しはその理想に近づけたかなと思っています。
今後の展望
現在では、Contract Oneの導入により、ヒット作品の展開を支える環境の土台が構築できました。
今後は、さらなるContract Oneの活用と、職務の枠を超えたシナジーの創出を目指していきます。
具体的には、企画職や営業職にも契約情報をもっと活用してほしいと思いますし、事業統括部も並走することで、よりスムーズな作品展開を実現していきたいと考えています。
面白い作品を作りたい。世界中の人に届けたい。立場は違ってもその思いは共通のはずです。一人ひとりのスキルの底上げと連携が、ヒット作を生み出し、展開を加速させることにつながると考えています。